【死神探偵スズキ】
【勇者聖凰ブレイガード】

ネタバレ含む&長いので、省略しますよ。


・死神探偵スズキ:浦瀬ヒガタさん

あっちこっちで話題になっていたのに、
今までプレイしてなかったシナリオその1。


作中に漂うすえた匂い(死臭と煙草臭の混合物)が、
独特の雰囲気を出してます。


ストーリーはタイトル通り、
死神に取り付かれた青年が心霊専門の探偵として、
そういった事件の数々に遭遇する(解決にあらず)お話です。


救えない話ばかりで構成されたシナリオ。
加えて主人公がさっぱり恵まれないせいか、後ろ向きなほの暗い世界観全開。
mp3で名曲揃いのBGMが拍車をかける。
愛と勇気はプレイ前に捨てていけ。


ただし断っておきたいのは、この作品、
ありがちな鬱ではなく、完成度の高いブラックジョークだという事。
さじ加減が絶妙なため、話が悲壮になりすぎず、
「あーあ」とため息つきながらの第三者視点で眺められるのはお見事。
常に一歩引いた視線の死神と、擦れきった主人公の掛け合いがなせる技か。


戦闘面は、死神がくそ強いのだが、
主人公と距離が空けば空くほど性能が落ちていくと言う特徴があるので、
主役がいらない子にはならない(足手まといではあるかもしれない)。
基本的に、距離をあけすぎなければあまり苦戦しない難易度だが、
この特徴を利用した駆け引きを楽しむステージもあったりと、
用意したシステムを十二分に生かそうとする試みも見られる。


「不幸な結末は我慢できない!」と言う人以外は是非やってみてください。
脚本にも構成にも非の打ち所が無いです、絶対に面白い+勉強になります。



・勇者聖凰ブレイガード:紅蓮の桜さん


あっちこっちで話題になっていたのに、
今までプレイしてなかったシナリオその2。
こちらは打って変わって正統派の王道勇者物。
ちなみにサイトからDLできなかったのでご本人からいただきました、
この場を借りて感謝。


ストーリー……は今更ここで語る事も無い程有名ですし、割合。
ただ、勇者物、というか今までロボ物はそれほどプレイしていないけれど、
そんなことは関係無しに素直に楽しかった。

全18話の中編をフルに使った主人公をはじめとする、
登場人物の丁寧で細やかな心理描写、
それがあるからこそ効き目の大きい物語の谷と山。
オーソドックスながら、非常にレベルが高い。


キャラクターも熱血、委員長などの基本形から憎めない敵役、マスコットまで、
それぞれ目いっぱい魅力が引き出されてる。
誰が一番好きか聞かれたら迷うけれども、敵役のディザスを。
ディザスかわかっこいいよディザス。


そして目を引くのが自作された全身画、カットインの数々だが、
やたら滅多ら使うわけではなく、
本当に必要な所で使われているので素直にかっこいいと思わせてくれる。


欠点……というか気になったところ。
あんまり見当たらないんですが、
ご本人にお伝えし忘れていたのが一点、
時折キャラクターの口調が説明的になりすぎる事がある、くらいか?
SRCでの描写の限界を考えると止むを得なくはあるんですが。


結局のところ、これは本当に理屈ぬきでハマりました。
どれくらいハマったかと言えば1話から初めて完結18話までぶっ通し。



というわけで、のんびりするどころか、
どちらも(別のベクトルで)テンション上がりっぱなしでした。
オチなし。