【DreamingSchool】
作者:回天さん
進行:最新話まで

学園発のギャルゲーシナリオ……という認識でいいのか、これは。
そういえばその発想、ありそでなかったなーなんて思いつつプレイ。


第1話:
主人公ではなく能力に目覚めたヒロインを最初にメインに据えるのは
世界観を伝えるには丁度いい運び方。ただ能力覚醒までが若干急ぎ足な印象。
あと自分の能力がよくつかめてないのに戦い向きの能力だぜ、って断言するのはいかがか。
戦闘は敵が地味に当ててくるので自動反撃だと落ちる、多分。


第2話:
今回は主役の藤森君、幼馴染と中の人の出番。
テンプレ通りにどことなくへたれ気味な主人公だけど、向上心があるのでよし。


第3話:
曲がり角でごっちんことはまたベタな流れだなー……なんて思ってたらフェイティアが覚醒だと!?
ひょんな事から覚醒する文字通り運命的な出来事だけど、
あっさり書かれすぎてて盛り上がりがないのがちょっとあれか。
戦闘は援護持ち同士によるサポートで着実に撃破が求められる。


第4話:
学園慣れしてる子に言わせるべきか、メインヒロインに言わせるべきか。難しい所か。
落ちモノヒロインと先輩、お約束の悪友も登場で役者が揃った感じ。
これまでと打って変わって戦闘は楽勝だったり。

第5話:
夢依さんルートで固定。まずは王道だ、文句あるか。
なるほど、こういう風に話を持っていくわけか。そんなブラックジェルの使い方。
ここは上手いなーと感心。
ティリアをめぐって一悶着ありそうだけど、それ以上にアロエが、アロエが……。

第6話:
あ、うちの子だ。登場機会に感謝しつつ、初見の人が色色言われて分かるのかなー、なんて。
って、追々説明があるならいいか。
周囲のステータスがあがったおかげか、相対的に戦闘難易度が下がってるなぁ。


第7話:
個人生徒会の説明回……ただ、説明量ちょっと多い感。具体例は姫士組があるんだし、
学保とか騎士団が話に絡むかどうかは分からないけど、この場で詳細に説明する必要あるのかなぁ。
というか戦うお姫様って姫長の話なのか。ティリア話かと思ってたけど。
どうも主人公周りも妙な話が出始めたなぁ、どうなるか。


雑感:
・説明口調がちょっと目立つか。「これこれこうだからこうなのです」という説明文だけでなく、
 会話の端なんかでのさり気ない説明を心がけると会話はもっと自然になります。
 簡略に説明しても伝わる部分、詳しく説明しないと理解できない部分の使い分けを。


 「しかし困ったな……このモンスターはほとんどの物理攻撃を無効化してしまう
  聖なる力を持った攻撃が有効なんだけど……ボクの能力は『影』を操ることだから、聖なる力は使えない」
 ↓
 「幽霊相手は『影』を使うボクじゃなく、姫長の方が得意なんだけど」
 とかね。


・突然モンスター登場、な戦闘ばかりだとちょっと単調ですね。


総評:
作者さんはこれが初シナリオと言う事でしたが、ギミックや話の作り方なんかの基本的な能力は備わってるみたいです。
部分部分で上手い表現も見られるし、要所に伏線も配して着地点を決定してあるのにはまず安心。
そんな風に全体像が固まってる様子が見られる一方、一話一話がちょっと急ぎ足な印象があります。
さすがに夢依さんやティリアはよく動いてるけど。他のキャラクターがちょっと薄め。
アロエさんうぬ子さんとか選択していかないと空気なので、
他のヒロインも話の流れの合間合間にちょっとしたシーンを挟んであげた方がよさそうです。
「幼馴染」とか「先輩」みたいな記号でキャラを選ぶ形になってしまうのはちょっとアレなので。


それに関連して、キャラクターや説明を絞っていくのも必要かな。
クロスオーバーは作者として素直に嬉しいんですが、話に関係ない他の部分まで手を広げると収拾がつかなくなるかと。
シェアードとは言えこれは作者さんのシナリオ。無理に世界を広げすぎると自分の世界が壊れてしまいますよ。
絞って集中、推敲すれば出来は格段に上がる印象。


こんな感じに、シナリオ作りの不慣れで出てくる粗を潰しつつ、完成度を高めていけるかどうかですね。
ありそでなかった学園ギャルゲーシナリオ、完成まで追っていくつもりです。