【Boys, be heroic!!】
製作者:五目ペチカさん
進行:〜9話まで


ヒガタさんからプッシュされた作品。
感想はチラ見してたんですが、プレイは初。
救済もハンバーガーもないなんて!! ……と、思いきや。




核戦争で地下施設に逃げた人々が、地震の度居住区に湧き出てくる
旧時代の生体兵器と戦いながら懸命に生きる。そんなSFモノ。


このシナリオ、実は少々不安だったのが欝展開を前提に押し出してる所。
綺麗な欝話も嫌いじゃないけれど、その手の物は相当な手綱捌きが必要なわけで……
とか思ってプレイしてみれば、驚かされるその技量。
事実を上手く表現するからこそスパイスになる端的な世界観描写、
そんな世界観の根底にある陰惨さを時に引き立たせ、時に忘れさせるキャラクター達の掛け合いの妙。
で、その上で話の緩急、落とし方、畳み掛け方と、
プロット作りの上手い作者さんだなあと感心しましたが、
何よりもこれ以上なく明確なテーマに心惹かれます。


様々な要因により、たった20年程度しか生きられない現人類。
要するに、主要人物は非生命体を覗けば子供だけなんですね。
登場人物たちも早熟している様で実はどうも弱さやらなんやらが垣間見える。
そんな大人の定義、ひいては『かっこよさ』の定義が殆どない状況で
大人にも子供にもなれないルーパスと、大人でいようとした子供のウェン。
『Boys』とあるように、二人の少年が徐々にHeroではなくHeroicしていく過程は、
こう、なんていうか奮えます。この先がどうなるか分からないだけに、余計に。
ちなみに脇を固める周囲もキャラ的にとても優秀。エイミ派と見せかけて実はレスターとメルにニヤニヤ。


戦闘:
それぞれまったく特性が違う上多数対少数、おまけに単純な火力勝負でも負け戦と、
色々と分が悪いのでそこは豊富なアビリティ、ユニット特性、そして脳みそを使う必要アリ。
ただ戦闘キツいよ! なんて言われたので戦々恐々としてたのですが、
プレイしてみれば割と何とかなったので逆に気が抜けたと言うか。いやでも9話が……。
とりあえず睡眠系最強。


雑感:
・テンプレートな悪役を機械の人にやらせるってのは、古典的だけどいい方法だと再認識。
・その分人間サイドは思う存分人間臭く足掻けてる。
・7話までプレイして、ああやられた。予想と言うか土台自体ひっくり返された。
・けれど『間違いなく悪い流れに持ってくるだろう』と想像がついてただけに、それ自体のショックは微妙なところ。
・しかしどうあがいても無理、という印象を抱かせるには絶好の落としどころか。
・そんな中、8話でなにくそ、9話でそれでも、と言う具合にガンガン盛り上がる。
・二度目になるけど9話のキツさがパねぇ。思わず随行衛星やらなんやらでミトさんをドーピング。
・改めて見直してみると、アイテムなしでも行けるっちゃいけるのかなー。
・で、そのミトさんですが乗り換えしてるのでコンダクターの方のユニットが残ってるようです。


総括:
なるほどこれはオススメされるわけだと納得の一本。なので僕からもオススメです。
ただ最新話周辺の異常な盛り上がり感が心地よい反面、
垣間見た技量からして次に何が出てくるか良い意味でも悪い意味でも想像がつきません。
欝耐性がない人にはさぁやろう、と突きつけられない状況にありますが……いや、まぁいいや。
さぁやろう。