【建築勇者ダイクウガー】
製作者:関崎さん
進行:〜6話まで

復調一発目のシナリオはこちら、ブレイガードに続いての勇者物。
また知人のお勧めというパターンですが、お勧めされるには理由があるって事で。




土木技術の発達した近未来。
父親の残した建築会社を一人で切り盛りする若き社長、勇美健助。
そんな彼が、古代より復活した邪神アシクエイクと、7人の勇者の戦いに巻き込まれていく。
今度の勇者は建築重機!? ってのが主なあらすじ。


ストーリーは現状ほのぼの路線+王道。
テーマが建築と言うことで、従来ロボ物では破壊されるオブジェクトに過ぎない建造物にスポットをあて、
守るべき対象として、また各々の信念と絡めて描写している。
キャラクターの芯を捉えやすくするのは物語の構成上重要な事ですが、
目に見える概念を持ってきたこのシナリオはその点良いお手本になると思います。
中でも秀逸なのは、なんといっても主人公健助の立ち回り。
この手のシナリオの主役ってともすれば役割が勇者のENタンクだけになりがちなんですが、
優秀な仕事人として、何より個性豊かなメンバーをまとめる御頭として活躍している。
指揮官として差別化を図ったのはうまい。正統派主役の匂いも
反面幼馴染のくるみはもう少し掘り下げがほしいかな。
勇者周りの描写が忙しいのは重々承知なんですが。


話の構成は前述した通り王道路線ですが、ジャンルの関係上どうしてもかぶってしまうポジション、
デジャヴを与えかねないシチュエーションも差別化を図ろうとしているのが分かります。
そしてその点でもやはりテーマが生きている。ただ構成的にはそろっと大きな話の起伏が欲しいか。
それと平常シーンはともかくとして、ここぞって時の決めシーンはもう少し添削して、
締めの要素を強くした方が良さげ。熱い場面で脱力かかるパロは自重していただきたく。


さて、勇者シナリオには欠かせない(と言うイメージを勝手に抱いている)画像演出。
この辺はアイコン、カットイン共に自作品をふんだんに。しかもこいつ……動くぞ!
なんか人形劇の代わりにイベント画像入れてますってくらい。一言で言えば非常に贅沢。
労力を考えると描ける人でもなかなか真似はできないけど、それだけに目の満足感が素敵。
あと6話イベント画像は分かってるとしか言いようがない。おっぱい! おっぱい!


戦闘:
難易度は総じて簡単。SPを惜しまなければボーナス獲得も難しくはない。
ただし、基本的に前後半戦の二段構えなので飛ばしすぎには要注意。
あとたまに物量差がうっといけど、その辺はまぁ。
ユニットは個性的なので飽きは来ないし。


雑感:
2話、ボスのパイロット指定ミス。『ボスケッカーン(ザコ)』になってます。
文章に若干硬さを感じる。
5話のダイジェストで盛大に吹いた
ね、かんたんでしょ?


総括:
本筋や細かい詰め、魅せの甘さは各所見られますが、
回を追うごとに作者さんの技量がアップしてるのが分かるので、あまり心配せずともよさそう。
まぁ、ここからどうやって本筋に乗っけていくかが課題だと思います。
戦闘バランス、個々のエピソード、画像演出。総じて高い水準なので、
安心してプレイしていられるのが一番の強みでしょう。
勇者ロボ好きに限らず、広い範囲のプレイヤーが楽しめると思います。