【第7回SRC学園シナリオコンペ】
製作:別途表記


というわけで、無事公開いたしました今回のコンペ。
管理者の役得でいち早くプレイさせていただいてたんですが、
なんというかこう……僕って幸せ者だよなーと、そんな気分になる作品群でした。
というわけで簡単ながら、本日より各シナリオをレビューを載せて行こうと思います。
今日は上から順に3作品を



【聖乙女に行こう!】
製作:回天さん


というわけで今回のコンペの一番槍、回天さんのシナリオ。
聖乙女学園に入学したいとある生徒が、そのための試練に合格すべく奮闘する……と、内容は非常に直球。
作品の長さも短めで構成も非常にオーソドックスではあるのですが、
全体的につくり込み要素が高かった今回のコンペの中で、
シンプルな、お題に即したシナリオで勝負というスタイルは前回と同様評価されるべきだと思います。
欠点としてはこれ非常に指摘が多くなるかと思うんですが、
多少学園に触れているプレイヤーにとってはオチが読めてしまう事。
主役のみこと自体が学園内外でかなりメジャーな存在なので、
そうした予想を裏切るもう一手がほしかった気はします。
とはいえキャラクターの描写や全体のテンポに関しては良好。
シーンの盛り上げ方、自分なりの描き方を心がけると更に質のよいシナリオが作れるんじゃないでしょうか?

シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆☆



【双姫剣舞
製作:Philoさん


判定を下す側から『合格』を描いたシナリオ。
治安組織『姫士組』の長、伊佐美千佳が本当にその職に相応しいかどうか判断すべく、
監査役の神楽千歳がひそかに彼女を審査する、という内容。なるほどこれは巧いやり方。
主役を見る立場の人間=プレイヤーとする事で、非常に感情移入しやすくなってます。
登場キャラクターが非常に多い中で、焦点をしっかりこの2人に絞れるのもグッド。
また氏の作品の特徴として芝居がかった台詞回しがあげられると思うのですが、
学生ながらに武闘派路線の彼女らにはこれがよくマッチしてると思います。


全体の作りに関しては文句ないのですが、気になったのがラストでぽっと登場した市山さんの存在。
重要な総括シーンを突然プレイヤーの視界の外から入ってきたキャラでやるのは、
話の説得力からしても少々疑問があります。キャラクターの描写から『この人がこう言うならそうなんだな』と
出来るところを、何故そうなのかを説明するために文章量が多くなってしまう欠点もありますし。
……と言いつつもおまけにはこの人をチョイス。いや、性格的に使いやすいんで。

シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆
お題反映:☆☆☆☆☆



【刹木さんがんばる】
製作:千早神牙さん


合格と見せかけてバレンタインという、斜め上の時節ネタ。
このバカップルが!! と叫ばずにはいられない、そんなシナリオでした。
起点から終点まで終始ニヤニヤしかねないラブコメをストーリーベースに、全力でギミック勝負に出てます。
料理オンチの少女刹木が2月14日までにチョコを作れるくらいに成長すべく行動を起こすんですが、
そこからは全て作成パート、研究して収集して実際に作ってみて、と全てがプレイヤーの選択にゆだねられます。
故に、ラストは当然マルチエンド。でも全部が全部ニヤニヤ物なのはなんでなんだぜ。


欠点らしい欠点は殆どないんですが、収集品ややれる事の総量に比べて
エンディング数が松竹梅の3コースなのは少々残念といえば残念な様な、
けれどコンペ提出物としては丁度いい様な……とまぁ複雑なところ。
裏を返せば非常に面白かったという事なんですがね。
後はお題がおまけ程度なので、そこが惜しかったですね。よい意味でも悪い意味でも一点特化シナリオだといえるかも。
とはいえシナリオの方も起承転結しっかりしてて会話も楽しく読めたりと、作者氏の地力の高さが伺えます。

あとおまけといえば、あの規模の戦闘であのレベルのアニメ演出はあれです、やりすぎです。
だがそれがいい


シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆☆
お題反映:☆☆