【第8回SRC学園シナリオコンペ】
製作:別途表記

指摘いただいたバグを直しつつ二度目の通しプレイで
ようやくレビューが書きあがりました。
改めて見返すと他の方のシナリオと色々被ってるなー、
なんて思いつつ感想行きます。



【 激突!!クルセイド学園騎士団VS姫士組ネオユニバース 】
製作:パンさん


いまいち不仲な二大治安組織が対立しつつ、妨害されつつ、
共通の目的のために共に奮闘していく流れを描いたなかなかに熱い流れの作品。
というか、対立→協力→巨大ロボって自シナとモロに被ったわけで。なんてこった。


派手さこそないものの、細かなところで流石と思わせる演出はやはりパンさん。
そして相変わらず設定や伏線の使い方が巧みで、特に憎まれ役が徹底的に憎憎しい。
学園に慣れきっちゃてる僕なんかは、キャラを過度に大事にしすぎてしまうというか
こういう駒として徹底させるやり方はなかなか出来ないです。


しかし、今回はクライマックスでその辺が悪い方向に作用した気が。
感動よりも、こう使うのかという感心の方に傾いてしまった印象があります。
総代が藤乃相手に啖呵を切った場面とか、和馬が女子生徒を守る場面なんかは
大いなるカタルシスを得られただけにそこは少し残念です。


ともあれ、設定に準拠しつつメスの入れ方が新鮮なので、
今回も大いに勉強させていただきました。ありがとうございます。


シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆☆
お題反映:☆☆☆



【四番隊と巨大なダンジョン】
製作:回天さん

まずは一つ、運営として断り書きを。
あの人に関してピンときた方、前もってこちらでOK出してますので問題ないです。


姫士組のお騒がせ部隊が巨大ダンジョンに迷い込んだよ! ってな話。
本来かなりヤバい状況なんですが、どこか軽いノリがあるので閉塞感がないのが良いです。
そしてお色気シーンは迷わず見るぜなボインスキーは私だ。


戦闘ごとのシーンを各人の描写に特化したのと、それの殆どが大筋に絡まなかった事もあり、
ちょっと描写にぶつ切り感が出ちゃったのが残念。
ラストで求められるのが4番隊の連帯なだけに、
各々の個性はともかく、隊の外への絆ばかり強調されてしまった印象。
……でも何より楽しめたのはその個々のネタなんですよね。
設定承知ありきの藍さん生存ルートとか誰得だ。俺得だ。


そしてあのオチ。
パンさんのシナリオを見た後のハイネと城島の温度差ったら。


こういう個々の描写をシナリオ運びに絡ませられれば、一段二段上にいけるのになー。
あとやはり台詞回しの堅さ。
と、偉そに言いつつも工夫された戦闘や演出技法の向上を見てると
なんだかんだ言ってこの人の成長っぷりは凄いと思います。


シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆
お題反映:☆☆☆



【薄暗い地下の底で】
製作:俳諧さん


ちょっとした言い争いを切欠に迷い込んだ地下道。少女がそこで見るものは?
と、あらすじはこんな感じでしょうか。
床板一枚はがしたら腐臭が立ち込めそうな世界観だなーと毎度思ってたら、
今回は実際床下(地下)に行きました。ダイレクトにゾンビとか出てきました。


そんな感じで淡々と、静かに、救いようなく展開する、いい意味でいつもの俳諧さんシナリオ。
分岐もバッチリ搭載で、初回プレイではグッドエンドでした。
いや明らかにグッドじゃないんですが、トゥルーに比べればまだ、ねぇ?
いずれの結末も横のつながりは無いんですが、この手の作品にそれを求めるのは無粋なのかも。


というか、各ルート全力でやりたい様にホラーやってるからこその作者さんの味というか。
実際、今回きっかけとなった能力者と非能力者の溝も、怪異を表現するためのアクセントに過ぎません。
コンペ作品としての是非はともかく、この人が特化された作者である所以でしょうね。


後は細かい事になるんですが、先輩を倒した際のルートは欲しかったなー。
絶対試す人がいると思うんですよ。というか試しました。
でも考えてみると倒してなお救われないエンドだったらそれはそれで切ないので、
今はただ主役の光子さんに幸あらん事を。


シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆
お題反映:☆☆



【総括】

今回は作品数自体が少なめな上、お題が難しかったか被りも多発してしまったのが残念でした。
まさかキャラクターまでここまで被るとは思ってもみなかったですよ。
と、言いつつもそれぞれ描写の仕方が全く違うのでその辺は気にならなかったんですけど。
皆さん自分なりのSRC学園を構築されているというか、キャラへのメスの入れ方が多種多様で
その辺はみていて凄く参考になりましたし、何より楽しかったです。
結果としてクオリティは維持されてますし、それぞれの特色はしっかり出ていたと思います。


何より作品が少なかったのは自他共にやりづらい時期を選んだ運営の責任でもありますしね。
次回以降はもう少し暇が出来る時期を選んで、かつ広報を徹底していきたいと思います。


と、以上が今回のコンペ感想と総括になります。
寄稿してくださったお三方、お疲れ様でした!