興が乗ってきた所でもう一本。
なんぞ今日はやたらと日記が長いよ。


【天馬博士と吸血鬼】
製作者:アン武さん
プレイ終了。



超☆天才のマッドサイエンティスト
天馬甲陽が主役の一話(前後編)完結オリロボファンタジー
いや、新着で偶然目に付いた作品だったんですが、まさか、ねぇ……。




第一話:
領主の命令で吸血鬼退治にやってきた超☆天才。
ぱっと見ファンタジーな世界観なのに普通に車がある事に驚く。
おまけにカーラジオ付、ダブルでビックリ。
それはさておき、博士が強烈なキャラクターしてるので掴みは完璧。
テンポ良くそのノリを保ちつつ、主役になれない男達と戦闘に。
敵の数が多いので特殊能力『起死回生』ないと厳しいんですが、
有象無象に現実の厳しさを教えこんだところで、強力な回復魔法が発動。
そう来るか、メタの上にメタだけれども、なるほど言いえて妙だ。



第2話:
ようやく調査開始、博士は博士らしく、助手は実に助手らしい仕事分担。
一通り情報が集まった所で事態は思わぬ方向に。
ここの流れ、というか作品全体に言える事だけれど会話のテンポが凄くいい。
読ませる術を心得てると言うか、これはちょっと見習いたい。
状況自体も暗転に暗転、そして逆転と、ここ一連の流れはやたらにかっこいい。
それだけに後半の説明オンパレードが惜しい。
程よく分割して読ませる工夫をしてるのは分かるけれど、
そも情報量自体が多い故どうあっても混乱するか。


後バグ報告を、キャラIDが第三波なのにChangeMode指定が第三派になってました。


さてさて、そんな訳でプレイ完了、オマケも堪能。
一番魅力を感じたのはやはり、テキストを読ませる力。
博士を筆頭とした強烈な(あるいは役割のハッキリした)キャラクターによる、
勢い良し、流れ良しな掛け合いがとんでもない牽引力として働いてる。


反面、上でも触れたとおり情報量を限定できなかったのは……。
連載前の読みきりといった位置付けなのである程度仕方がないとは言え、
吸血鬼関連の設定も、短編モノのそれとして扱うには細かいので
多少は削ぎ落としてもよかったかも。
逆にOOIに関してはもう少し説明があった方がいいと思う。
なんというか、OOIだから凄いじゃなくて博士だから凄いと言う認識が。
……それで合ってると思えてしまうのはなんでだ。


あと、随所に盛り込まれたメタとパロは人を選ぶ、か?
ただ少なくとも、博士のそれに関しては納得できてしまう一面も、と言うか素直に楽しかった。
使い方が上手いと言うか、細かい点が気にならない位キャラクターとして強烈なんだよなぁ。


まぁ、総じて超☆天才の圧倒的なパワー、そしてそれを操る作者さんの驚異的な技量が光る作品でした。
他のレビュアーの方も仰ってましたが、これが処女作というのが信じられない。
やばい人が出てきたなぁ、とライターとしては嫉妬しちゃったり。
列強に割って入っていくだけの才能を感じました。


最後に、連載を予定してらっしゃると言う事なので余計なお世話を。


超☆天才の強烈なキャラクター:
主役に助手君を据える場合、完全に食われちまう可能性が。
いや性的な意味ではなく。
助手君の、超☆天才と渡り合えるだけの流血と奮闘に期待。


世界観の描写:
短編なので今回はコレくらいが正解だと思いますが、連載の方では是非更なる掘り下げを。
OOI関連、あと自動車と騎士と横文字と落語が同居してたりする辺りの整合性とか。


偉そうになってますが、1プレイヤーとして続編を心待ちにしています。