何よりも自分自身が落ち着いたので、そろっとシナリオ感想あげていきますよー。


[SRC:シナリオ感想]


【第6回SRC学園シナリオコンペ】


今回はかなりの作品数+ボリューム+思考型シナリオというラインナップなので、
数回に分けてその分濃い目に語っていく予定。
そんな一回目のレビューはこちら。




【『途』】 製作:ベニヤ板さん
『』も含めてタイトルなんだよアホがッ!! とか言われたり言われなかったり。
それは置いといて、恋人を失った以外のあらゆる過去、そして目的も明かされない主人公『男』が、
扉を抜け、道を選び、ひたすら延々と進んでいく。
状況その他を完全にポイしてプレイヤーに判断をゆだねたシナリオ。


わたしの とうけいによれば やく70パーセントのひとは まず まんなかをえらぶ
最初は中央のルートを選択。この橋渡るべからず? じゃあ渡るだろ普通ってうぎゃー。
ってな具合に死亡フラグ死亡エンドを逐一狙いながら全ルートを制覇。そして明るい話が一つも無い事を確認。
全てのルートにおいて、勝利条件表示にいたるまで、ことごとく希望を見出せない素敵なシナリオでした。


さて、作者さんはシナリオの解釈をプレイヤーに委ねているわけですので以下は個人的な考察。
このシナリオは、とても耐えられないような事態=『限界』を迎えてしまった人間の反応を
1eve使って表現しようとしたんじゃないだろうか。
最愛の人を失ってしまった『男』はそれぞれのルートにて大まかに、


・ふさがった状況をなんとか乗り越えようとする。(中央ルート)
・他人のせいにする事で自分を肯定しようとする。(右ルート)
・ひたすら逃避を繰り返す。(左ルート)


という行動に出ます。しかし結果として、


・呵責に耐え切れず自刃する。
・自分を正、他人を悪とした結果、他人の手で殺される。
・一歩も進めなくなり、他者に正解を導いてもらうしかなくなる。


……と、まぁこんな具合ですね。
僕の考察では間違いなく『限界』というお題をよく表現したシナリオなんですが、
それを言ってしまえば結局お題は如何様にでもなってしまうわけで。
一方で視覚的には分かりやすく、場面場面でルートの主題に沿いつつも面白いミニ戦闘を用意する、
と言った具合に、決してなげっぱなし、手抜きってシナリオでもないんですよね。
非常に扱いが難しいと感じました。


シナリオ:☆☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆
お題:☆☆★★★(★は考察結果より)



【失恋戦隊業恋者】 製作:匿名さんA
まぁ、まさかこんな事やるとは思ってませんでしたよ。
この人はまぁ正攻法じゃ来ないだろうな。STGだろう、くらいの想像はしてたんですが、
ふたを開けてみればまさかのアクションゲーでした。
独り身原理主義者『恋者』の一チーム隊長が『抜け恋』となるまでの軌跡を描いた作品。


さて、肝であるアクションパートはどこかFCを髣髴とさせるグラフィック。
BGMも意図的に16ビットチックな音源が選択されているあたり、こだわりが感じられます。
高スペックが要求されるのかと不安ではありましたが、
決してそういう訳でもない僕のPCでも比較的快適に動作しましたね。
メッセあたりを落とさないと微妙に動きが遅かったり、時々安定しなかったりもしましたが。


一番の難点は難易度のばらつき。当たり判定が曖昧な点があり、
そのせいか射撃のタイミングにあわせてテレポ→出現体当たりをしてくる2面ボスがやたらといやらしい。
テレポート以外で移動しないので一度捕まるとごっそり削られ反撃不能とか。
ラスボスはダメージ覚悟で突っ込んで攻撃連打で倒せてしまったり。


アクションパートごとに挟まれるシナリオ部分は本当におまけ色が強く、
オチ、お題の使い方は弱め。良くも悪くもアクション部分に全てを賭けている感がありました。
ただ、このシナリオ自体がライターの限界挑戦と言えなくもないですし、
SRCでアクションという新たな方向性を築いた点は評価しない方がおかしいかなと。
あとおまけはご馳走さまでした。眼福眼福。


シナリオ:☆☆☆
ギミック:☆☆☆☆☆
お題:☆☆