【メロス様が観てる】
製作:五目ペチカさん
進行:妹ルート最新話まで


さて、それではGP関連のお話もひと段落したところで、
先日めでたく復帰なさった五目ペチカさんがリリースされた最新話の感想です。
本当に随分と待たせてくれたぜ。でもクリスマス前だから問題ないのか?
などと考えつつプレイ。幼馴染ルート以上に血なまぐさい予感のする新規ルートは、はてさて?




と言う事で、今回はこの物語の本編であると言う妹ルート。一言で言えば復讐ルートです。
その名の通り、前回のレビューで記した最初の【ネタバレ】により流す涙も涸れ果てたヴェスタが
王の血を以ってその渇きを賄うべく復讐に身を投じるルートであります。
お話的には幼馴染ルートに対して非常にファンタジー要素が色濃くなっている印象。


既に人ではなくなったという王に対抗すべく、同じ恨みを持つ仮面の男に誘われたのは
通常の時間軸とは外れた監獄島という所。ヴェスタはここで長い長い時間をかけて復讐のための牙を研ぎにかかります。
しかしこちらのルートでも彼女の『目的』には様々な障害が待ち受けます。
目的を達するための僅かな猶予を根こそぎ奪いにかかる幼馴染(原作準拠)ルートに対し、
こちらは持て余した時間の中で目的その物を奪い去ろうとする甘い毒に満ち満ちています。
それは一言で片付けてしまうのであれば時間の流れと言うものに他ならないのですが、
より顕著に作中に形となって現れるのは、レアと言う少女が復讐劇の舞台に流れ着いた時点からでしょう。
かつて現世で救った少女は絶対的な思慕で、容赦なく復讐者であるヴェスタを蝕んでいきます。
そんなタイミングで、再びプレイヤーは嫌な二択を迫られるわけですが……。
あ、いえ、一方の選択肢は未だ未実装ですけど。


レアにとってのハッピーエンドはヴェスタの復讐の頓挫に他ならない。
前者を選択すれば容赦ない現実を突きつけられる……そう考えていた時期が僕にもありました。
いや、それはここまでの道のりからして明白であった筈、なんですが。
どうやら思っていた以上にお姉ちゃんは強かった。いや戦闘は何度か詰みましたけど。
気力+5の調整に気づくまでリスタートでしたけど。


他人の筋書きの中で自身を押し通せば、待ち構えるのは磔刑と炎。
自分を曲げてまで筋書きを記すなら、仮面と同じ修羅の道。
では、自分で書いた筋書きの中で、自分自身の『真っ白なテツガク』を押し通すなら……?
それがこの現実で覆われたストーリーに、ありえない様な一筋の光が射す条件だったのではないか。


・相変わらず良い意味で台詞回しが芝居じみてる。
・どの方向に転んでも「らしさ」を失わないと感じる点で、ある種最高の手法を選んでるのかも
・仮面の男はヴェスタのアンチテーゼとしての役割を完璧なまでに演じてみせた。
・下男が泣くぞ、と言うセリフはヴェスタが意図した以上にこのエピソードにおける真実だったのかも
・そんな彼と対峙する際の最強武装が「父殺しのユピテル」というのは色々興味深い。
・殺す前に奪い取るアイスソード
・ティベリヌスは犠牲になったのだ……?


総括。
恐らくトゥルーではないエンディングに向けて疾走開始。
相変わらず諸々の不安要素はあります。
『王様に復讐する』『テツガクも守る』。「両方」やんなくちゃあならないってのがお姉ちゃんの辛いところです。
覚悟はいいか? 俺は出来てる。